被写体

 数刻後には消え去っている光の存在をまず目が見つけ次いで心が引き寄せられる。そしてカメラと言う器の中に入り込んだ光りがワシのイメージとシンクロして外界に放出される事によってだけ被写体はここで知られる事になる。

 未来永劫、今のこの光に照らされた被写体は見る事が出来ないのだ。

 被写体に注がれる日光も輪郭を揺らす優しい風も濃密な空間に浮かび上がる今だけこの様子が留まってそこに在る。そんな情景の一切がワシの身体の中に入りカメラの中に入りネットの中にも入り込む様は、まるでイメージが感染して行くような印象を持ってしまう。

 ネットに載った被写体を眺めているとまったく淡々と視ていた単なる風景だったはずの撮影時のあの寒々とした鋭角な空気感と、埃にまみれた道端の残雪や背中を丸めて足早に行く中年女性や喫茶店の中から窓ガラスを通して外の冷たさに愛想を尽かしている初老の客の目や、ブロック塀の影からワシを伺っている野良猫などが突然に親しみを持って現れ、実はそれらは町の一部であり同じ生活空間に暮らすワシの一部でも有りうるのだと納得させられてしまう。

 そしてそれらは実はとても美しいのだと知る事になる。

 すると淡い情熱を薄々と感じ、次はそんなようなスナップを撮ってみたいと痛烈に思ってしまう。ワシはそんなことの繰り返しで被写体を得ていたのではないかと思う。このような事があるとあの時、感情の一切合切が無くなってしまった方がどれだけ生きやすいかと言い放ったのを恥じ入り赤面してしまうのだが、感じられる事の破廉恥さを喜ぶべきなのだなぁと思った。

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# by ride-t | 2015-03-08 10:23 | 写真部 | Trackback | Comments(2)

意志の力

 おっかさんがまだ認知症になる前によくワシに「だんだん歳をとっていくと未来という言葉が忌まわしい響きに聞こえてしまう」などと溢してたんですわ。

 結局のところ人間にはどーしようもないサイクルでありワシらはその中で生きているのだから、言わば「死も生の内にある」を理解して人生を経験するしかないのだなぁとワシの中で落とし前をつけてはいる。ものの・・・。

 ふと、おっかさんが歳をとっていくたびに死に近づいていくあの恐怖から逃れるために意志の力が働いて自ら認知症になったのではないのかって思ったり。だとしたら壮大な脳みその仕掛けに唸るしかないなぁと、なんとなく今が幸せそうなおっかさんを見ててそう思いましたのさ。

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# by ride-t | 2015-03-05 19:55 | 介護課 | Trackback | Comments(2)

ニュアンス

 ワシは音楽が無いと生きづらい性格で、常に音楽に浸かってないと身体が言うことを聞かないし、気に入った音楽を聴くと重力が半減したような錯覚まで起きて全てがハッピーに感じる異常体質ですなっ。と言うことで10代の頃からワシに絡んでいる音楽を抜き出してみた。

10代前半、1.クィーン 2.キッス 3.エアロスミス・・・当時御三家って言われてたよ(笑)

10代後半、1.レッドツェッペリン 2.ピンクフロイド 3.セックスピストルズ・・・ブリティッシュ一色ですなぁ。

20代前半、1.フリー 2.ジャニス・ジョプリン 3.ジョー・コッカー・・・R&Bに染まり始めたんですなぁ。 

20代後半、1.シンプリー・レッド 2.トム・ウェイツ 3.ジョン・コルトレーン・・・ジャズに流れたか。 

30代、1.マイルス・デイビス 2.キース・ジャレット 3.アルバート・アイラー・・・インプロビゼーションにどっぷりですなっ。 

40代、1.パフューム 2.カプセル 3.ゼロセブン(シーア含む) いゃあ~、目からウロコの40代でした(笑) 

50代、1.ベビーメタル 2.シーア 3.菅野よう子・・・うーん、まだまだ知らない良き音楽がいっぱいあるんだなあと意欲が出ますわ。

 と言うことで、年代別に分けたんですがこれらは今でもしょっちゅう聞いている音楽で、こーゆー自分の「好き」を世間に晒してしまうのはなんかこう、小娘やオバハン連中がネットにスッピンを載せてしまう心境と似てんのかもとちょっと思った・・・ニュアンスとしてねっ(笑)

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# by ride-t | 2015-03-03 21:19 | 音楽科 | Trackback | Comments(0)

本棚

 ワシには収集癖はないのだが本だけは六つの棚から溢れ落ちるほどある。実際のところ、本が好きというよりは想像力を掻立てる物語が好きなのだっ。

 そんな物語を納めている本棚の三つが姉のお古で、二つは姉が小学生の時に買ってもらったもの。もうひとつは姉が社会人になった時に買ってもらった本棚だ。残りは、ワシが十八歳の時に溝の口のアパート時代に買った本棚である。どれもいい歳なのだなぁ。

 ワシが都内を転々と引っ越す度につけた傷が目立つが本棚としての機能はまったく落ちていない。ひとつひとつの傷に、あちこち引っ越した場所の記憶が刻まれている。

 なんかこう、随分長い間つき合ってるなぁと・・・。家具をこーゆー目で見た時、アンティークというのはすごいシロモノだなぁとつくづく感じる。

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# by ride-t | 2015-02-26 20:07 | 図書室 | Trackback | Comments(4)

ちょっと騒ぐ

 ワンオクとカプセルのニューアルバムがでたので仕入れてきた。

 カプセルはそれらしい感じですんなりと耳に馴染んだのだが、ワンオクがちょっと違和感があったような、無いような。つまり前作が凄すぎたんだなぁと気がついたわけだ。

 今作がダメではないのだがワシの予想を裏切ってくれたと言うことだなっ。それがいい意味なのか悪い意味なのかもっと聴きこまないとわからないような作りになっている。

 カプセルは前作がワシの好みではなかったので今回のアルバムで寄ってきたかなぁという感じ。いずれにせよ、何枚もアルバムを出しているアーティストだと必ず当たり外れが出てくるのだがワンオクもカプセルもまだハズレはないのですごい連中だと思う。音楽も味覚と同じく個人の好みなので好き嫌いが叫ばれるが、色々と騒がれている状態がベストなのだろうなぁ。

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# by ride-t | 2015-02-23 20:44 | 音楽科 | Trackback | Comments(0)

Light My Fire

 ラジオからドアーズの「Light My Fire(ハートに火をつけて)」が流れてきた。ワシはこれを聴くとデニス・ホッパーとジョディ・フォスターの映画(ハートに火をつけて)を思い出す。

 音楽はありとあらゆる状況と同化して記憶の中に潜んでいる。

 ハートに火をつけてという邦題は絶響だと思う。常に、音楽、映画等々の邦題は最低最悪なのだが、このタイトルだけはイカしているなぁと。

 でだ、ワシのマシンもたまには火を入れてくれよと囁いているようにも聞こえたり、調子を見たりしてもいいんじゃないのかって誘ったりしてくる。去年の11月に火を落としてからまったくエンジンを温めてないのでまずはエンジンがかかるのかどーかの心配からしなくては。と言うことでバイクのカバーを取ろうとしたらミゾレが降ってきたのでやめた(笑)

 ハートに火をつけてもそれを維持するのが難しい歳になったなぁ。

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# by ride-t | 2015-02-19 23:19 | 二輪部 | Trackback | Comments(2)

雪解けな雰囲気の中で

 このところたまに太陽を見るときがあって、そんな時は当たり前に拝んでいるのだがそろそろ大気の中に冬とは違う匂いを感じることがある。

 近所の空き地に山積みされていた雪の山がどんどん小さくなっていく様を見るのは痛快である。なんとも小気味の良い「やっつけ」感がある。

 家の周りの雪もどんどん溶けてきてて、あとは去年降った雪が根雪となっている庭がすっきりとさえしてくれればワシの心も晴れるというものだっ。

 カレンダーを眺め、今シーズンもようやくここまで来たなぁと感慨に耽り、残り半分のシーズンをなんとか凌いで魂の解放される春を待とう。

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# by ride-t | 2015-02-17 19:48 | 富山県 | Trackback | Comments(5)

バイクと写真と散歩と音楽を愛し、介護などをして暮らすオッサンのブログです


by 高岡ライド
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